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解題『ドリトル先生の郵便局』(12)──お天気博士
 ドリトル先生はスティヴン岬の異変を知らせたカモメから気象のことなら何でも知っているアホウドリ・カタカタメを紹介され、百発百中の天気予報を開始します。

気象学者の視察
気象学者の視察(『ドリトル先生の郵便局』挿絵、ヒュー・ロフティング画)

 アフリカ南部のアンゴラ沖合いに住む年老いたアホウドリのカタカタメ(One Eye)は──ウミワシ(Fish Eagle)と餌のヒラメを取り合って片目を負傷したので、そう呼ばれているのですが──世界中のあらゆる天気に精通している文字通りの“お天気博士”です。カモメからカタカタメの話を聞いた先生は是非ともカタカタメに会ってみたいと言い、2通の手紙を書いてカモメに預けました。翌日、カモメはアンゴラからカタカタメを連れて水上郵便局にやって来ました。鳥が観測する気象台を作りたいと言う先生のアイデアにカタカタメは二つ返事で賛成し、その日の夜遅くまで先生とカタカタメ、カモメ、ダブダブ、トートー、スキマー、チープサイドら鳥たちは気象台の立ち上げ準備の段取りを決める会議を続けたのでした。
 それから3週間もすると天気予報が始まり、ファンティポだけでなくイギリスの農家にもパドルビー支局を通じて気象台から正確な天気予報が提供されるようになりました。中には、わざわざロンドンまで出向いて国営気象台は予報を外してばかりだと抗議する農家もいたので気象学会はファンティポ気象台がどうしてそこまで高精度で予報を的中させられるのかの秘密を探るために会員の気象学者をファンティポへ派遣しましたが、鳥が絶えず飛び回っている以外には観測機器なども見当たらず、どうしてこんな貧相な設備でイギリスの国営気象台よりも正確な予報を出せるのかはわからずじまいだったので、政府に「ファンティポ気象台を主宰するドリトルとか言う男は汚い鳥の大群を飼っているだけのいかさま師だ」と報告したのでした。
 この頃には、それまで外国船が寄港することも稀だったファンティポ港からは商船が次々と出入りするようになり、ファンティポ王国は貿易立国としての道を歩み始めていました。ココ王は郵便局に多額の下賜金を援助し、先生はその下賜金で水上郵便局の屋形船を一回り大きく改造します。
 それと並行して動物文字の普及効果が現れ始め、次第に通信教育や娯楽にも活用されるようになったので郵便局で定期刊行物を作る構想が持ち上がりました。特に、夜の長い北極では娯楽が少ないので「医学的なアドバイスやエチケットだけでなく軽い読み物が欲しい」という要望がホッキョクグマやセイウチから多数、送られて来たので先生は新しい試みとして雑誌『北極マンスリー』を創刊することにします。
| 84oca | ドリトル先生の郵便局 | 20:17 | comments(0) | trackbacks(0) |

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