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解題『ドリトル先生の郵便局』(11)──スティヴン岬灯台
 コロンブスを新大陸へ導いたキンイロカケスの末裔が西へ飛び立った3日後、ドリトル先生はカモメから「ファンティポ港の北にあるイギリス植民地の灯台が定時になっても点灯しない」と知らされ、ダブダブを連れて急いでスティヴン岬の灯台へ向かいます。

蝋燭に火を灯すドリトル先生
 蝋燭に火を灯すドリトル先生(『ドリトル先生の郵便局』挿絵、ヒュー・ロフティング画)

 スティヴン岬はファンティポ港から北へ20マイル(井伏訳では「約30キロ」と換算)の場所にあるイギリス植民地で、灯台が1基置かれていました。カモメから灯台の様子がおかしいと知らされた先生は異変の原因を確かめるべく、ダブダブを道案内に連れて丸木舟でスティヴン岬へ急行します。
 先生は直線距離で海路を突っ切って灯台を目指しますが、時を同じくして大型の商船が海岸に近づいていました。灯台の明かりが消えているので、このままでは岬にぶつかってしまうのは避けられません。カモメは少しでも時間を稼ぐために群れをなして操舵手の視界をさえぎり、船が座礁するのを食い止めようとしますが事情がわからない船員はホースを持ち出してカモメの群れに放水し、追い払おうとします。
 ようやく灯台にたどり着いた先生が鍵のかかった扉を壊して中に入ると、灯台守の男性が気を失って倒れていました。とにかく事故を防ぐために明かりを点灯するのが最優先なので、ダブダブは男性がマッチを持っているかどうかポケットを探ってみましたがマッチは見当たりません。その時、台所で飼われているカナリアが歌い始めたので先生とダブダブは真っ暗な会談を駆け降りてテーブルの上に置いてあったマッチを拾い、全速力で明かりを点灯します。カモメの妨害に遭っていた商船も灯台の明かりに気付き、急いで舵を切ったので最悪の事態は直前の所で回避されました。
 やがて灯台守の男性は意識を取り戻し、先生に事情を話しました。普段はこの男性と同僚のフレッドが交代で灯台守をしているのですが、今日はたまたまフレッドが近海へ牡蠣採りに出かけたところへ定時が近づいたので台所へマッチを取りに行き、誤って階段で足を滑らせて転倒し壁に頭を打ち付けて気絶してしまったのでした。
 幸い、男性の怪我は軽く翌朝に戻って来たフレッドと2人で先生にお礼を述べました。灯台守は2人ともロンドンの出身で、任期中は年1回の休み以外はずっと灯台にいるのでイギリスのニュースを聞きたいと希望したのですが先生も航海に出て時間が経っているので余り新しいニュースは持っていませんでした。そこへ、ロンドンっ子のチープサイドが飛んで来て最近のニュースを先生に一通り離して聞かせたので、先生がそのニュースを2人に聞かせると2人は大層喜び、またチープサイドもこの異国の地で2人が話すロンドンなまり(コックニー)が聞けたことに上機嫌そうでした。
| 84oca | ドリトル先生の郵便局 | 18:19 | comments(0) | trackbacks(0) |

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